ここがポイント!

文法ポイント1(本冊41~56ページ)

  • 最初に助詞の機能をしっかり導入すると、日本語の文法は学習者にとって格段に理解しやすくなり、より自由に文が作れるようになります。
  • このために、『PANORAMA』ではGrammar Point 1-1 (GP1-1) で動詞文から導入し、日本語の助詞「で」「に」と類似機能を持つ英語の前置詞とを比較することから文法学習を始めます。
  • 上の比較により助詞の機能を抑えたら、次に「は」と「を」を導入します。「で」「に」と異なり、「は」「を」には類似した英語の前置詞がないため、一層の注意が必要です。教科書では、英語では主語や直接目的語には前置詞を使わないが日本語では主題と直接目的語にも助詞を使うということを明示した説明がしてあります。
  • Grammar Point 1-1 (GP1-1) で上の4つの助詞を使って助詞の基本機能を抑えた後は、GP1-2で同様の機能を有する他の多くの助詞を導入します。学習者は、様々な助詞を多くの例文を通して一緒に学ぶことで理解が深まり、学習の早い段階で自由に色々な文が作れるようになります。
  • 最後にGP1-3で「と」「や」「か」「の」という4つの助詞を導入します。GP1-2までで学習する前接名詞の役割を決める助詞と異なり、これらの助詞は2つの名詞の間で使われ、それらの名詞の関係を表します。この違いを明示した説明がしてあります。

文法ポイント2(本冊57~64ページ)

  • Grammar Point 2 (GP2) では、動詞の普通形から丁寧形(辞書形からマス形)への活用を導入します。
  • まず、GP2-1で普通体と丁寧体の違いを抑えます。次に動詞には3つのグループがあることを導入し、その見分け方を説明します。最後に、普通形から丁寧形への活用規則を導入し練習します。
  • GP2-1で動詞の非過去肯定形(〜ます)を抑えた後は、GP2-2で丁寧形の否定形と過去形(〜ません、〜ました、〜ませんでした)を導入します。
  • 非過去形と過去形の導入時に、非過去形が習慣と未来という2つの意味を表すことも抑えます。

文法ポイント3(本冊65~72ページ)

  • Grammar Point 3 (GP3) では、丁寧体での基本的な会話練習を開始します。
  • 最初にGP3-1で疑問文の作り方を導入します。助詞「か」を導入した後で、疑問詞を使った疑問文の作り方を「何」「誰」「どこ」「いつ」という4つの単語を使った様々な例文を通して抑えます。
  • GP3-1で疑問文の作り方を抑えた後は、GP3-2で「あなた」と直接相手に言わない、「私は」を繰り返さないなど、会話における基本的な注意点を導入します。また、典型的な語順についても抑えます。
    • 練習教材
      • 本冊72ページ Comprehension Check GP3-2
      • 別冊08ページ~ 練習7 日常の出来事
        • 7-1 イーさんの日常についての翻訳練習
          別冊の活動の中では初出となる単語や表現の意味を確認する前作業も提供されています。
        • 7-2 自分の日常について文を作り書く練習
        • 7-3 会話相手に日常について聞く会話練習(前作業
        • 7-3 追加教材
          7-3の練習を学習者が一人で行えるビデオ練習も提供されています。
          https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp03/#7-3 
      • 別冊09ページ~ 練習8 過去の行動や出来事
        • 8-1 過去の出来事について話し書く練習
        • 8-2 会話相手に過去の出来事について聞く会話練習
        • 8-2 追加教材
          8-2の練習を学習者が一人で行えるビデオ練習も提供されています。
          https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp03/#8-2 
      • 別冊10ページ~ 練習9 追加の質問
      • 別冊12ページ~ 練習10 存在場所・位置

文法ポイント4(本冊73~93ページ)

  • Grammar Point 1, 2, 3 (GP1, 2, 3) で動詞文を抑えた後で、GP4では名詞文と形容詞文を導入します。
  • まずGP4-1で、英語のbe動詞に当たる表現として、日本語には「いる/ある」と「だ」の2つがあることを抑え、この学習者が混乱しやすい違いを明示的に説明します。
  • この違いをはっきりさせた後で、「だ」の文中での位置や、「だ」の直前の名詞には助詞が必要ないことなど、「だ」を使った文構造を確認します。
  • 文の構造を抑えた後は、「だ」の丁寧形「です」とその活用(~じゃありません、~でした、~じゃありませんでした)について説明し、多くの例文を通して名詞文を導入します。
  • 名詞文の練習を行った後は、GP4-2 [1] [2] で形容詞文を導入します。
  • まず、日本語の形容詞にはナ形容詞とイ形容詞の2種類があることを導入し、文中での使い方を確認します。ナ形容詞が名詞文同様に「だ」を使うのに対して、イ形容詞は「だ」を使わず活用形も異なる(~くありません、~かったです、~くありませんでした)ことが明示的に説明されています。
  • この点を抑えた後で、多くの例文を通して形容詞文を確認します。
  • 形容詞文を抑えた後で、81ページのQuick Noteで文末助詞「ね」と「よ」を導入してから、別冊での練習に入ります。
    • 練習教材
      • 別冊20ページ~ 練習14 印象や感想を述べる
        • 14-0 「動詞、だ、イ形容詞」のどの活用パターンを使うかを確認し文を作る、学習者が一人で行えるビデオ練習ビデオ練習
          https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp04/#14-0 
        • 14-1 形容詞を使って印象や感想を述べる文の翻訳練習(前作業
        • 14-2 印象や感想を述べる会話練習
  •  形容詞文を導入した後は、GP4-2 [3] で、よく使われる形容詞文として「好きな」「嫌いな」「ほしい」の3語を取り上げて練習します。
  • GP4-2 [3] 1 では「好きな/嫌いな」を取り上げています。英語の like と dislike が動詞であるのに対して日本語の「好きな/嫌いな」はナ形容詞であるということが明示的に説明されています。また、ここで主語のための助詞「が」を導入します。
    • 練習教材
  • 次に GP4-2 [3] 2 で「ほしい」を使った文を確認します。英語の want が動詞であるのに対して日本語の「ほしい」 はイ形容詞であるということが明示的に説明されています。
    • 練習教材
      • 本冊80ページ Comprehension Check GP4-2 [3]
  • 「好きな」「嫌いな」「ほしい」を使った文を抑えた後は、形容詞についての最後の文法ポイントとして GP4-2 [4] で形容詞が名詞を修飾する場合の使い方と疑問詞「どんな」を導入し、形容詞文を使った様々な練習を行います。
    • 練習教材
      • 本冊87ページ Comprehension Check GP4-2 [4]
      • 別冊21ページ~ 練習15 好きなもの、嫌いなもの、ほしいもの(続き)
        • 15-3 名詞を修飾する形容詞の使い方を練習する、学習者が一人で行えるビデオ練習
          https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp04/#15-3 
        • 15-4 好きなものについて「どんな」を使って追加の質問をする会話練習
        • 15-5 誕生日にほしいもの、ほしかったものを聞く会話練習
        • 15-6 ワンさんが好きなものについて書いた作文を読む練習(前作業
        • 15-7 15-6で読んだことについて答える学習者が一人で行えるビデオ練習
          https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp04/#15-7 
        • 15-8 ワンさんの作文を参考にして自分の好きなものや嫌いなものについて書く練習
        • 15-10 天気について話す会話練習(前作業
  • 次に、88ページのQuick Noteで、よく使う形容詞として「色の単語」を導入します。基本色には名詞と形容詞の両方が存在することを明示した説明がしてあります。
  • 色の練習の次に、GP4-3で、「好きな/嫌いな」の文で導入した助詞「が」について「は」と「が」の使い方の違いに焦点を当ててさらに詳しく説明します。ここでは、疑問詞の後には「は」が使えないこと、話題として会話に導入される前のものの存在や場所を表す場合は「が」を使うことの2点を導入しています。
    • 練習教材
      • 本冊91ページ Comprehension Check GP4-3
      • 別冊25ページ~ 練習17 存在文
        • 17-1 存在文を作る翻訳練習(前作業
        • 17-2 2つの部屋にあるものの違いを探す会話練習(前作業
        • 17-3 17-2で見つけたものがどこにあるかを聞く会話練習
        • 17-4 17-2と17-3の練習を学習者が一人で行えるビデオ練習
          https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp04/#17-4 
        • 17-5 ワンさんが最近のスケジュールについて書いた作文を読む練習(前作業
        • 17-6 ワンさんの作文を参考にして自分の最近のスケジュールについて書く練習
  • 動詞文、名詞文、形容詞文という3種類を抑えた後で、GP4の最後の学習項目として、92~93ページのQuick Noteで、誘いや提案の仕方を導入します。「~ませんか」と「~ましょう」の使い分けを明示した説明がされています。
    • 練習教材
      • 別冊28ページ~ 練習18 誘う
        • 18-0 「~ましょう」の活用を確認し文を作る、学習者が一人で行えるビデオ練習
          https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp04/#18-0 
        • 18-1 会話相手を誘う会話練習(前作業
        • 18-2 誘いを受け入れ都合のいい日時を提案する会話練習
        • 18-3 誘った後で日時や場所を決める会話練習

文法ポイント5(本冊94~108ページ)

  • Grammar Point 5 (GP5) では、普通形の活用を導入し普通体での会話練習を開始します。
  • GP5-1では、普通体と丁寧体の会話の違いを復習した後で、普通形の活用規則を導入します。
  • まず、普通形の活用規則として、品詞に関わらず全て「~ない、~た、~なかった」の形に活用することを抑えます。
  • 全品詞に共通する「~ない、~た、~なかった」の形を抑えた後で、動詞、「だ」、イ形容詞の順にそれぞれの活用規則を導入し練習します。
  • 普通形の活用規則を抑えた後は、GP5-2で、くだけた話し方での会話を導入します。文末が普通形になること以外にも、一般的に質問文の文末助詞「か」や文末での「だ」は言われない、「はい/いいえ」が「うん/ううん」に変わるなどの単語レベルでの違いがあるなどのくだけた話し方での特徴を抑えます。また、103ページのQuick Noteで「私」と「~さん」に当たる「僕、俺」や「~君、~ちゃん」についても導入します。
    • 練習教材
      • 本冊104~105ページ Comprehension Check GP5-2
      • 別冊30ページ 練習19 くだけた話し方(1)
  • 普通体での会話を通して文末での普通形の用法を抑えた後で、GP5-3で、普通形が文中で使われる用法を導入します。ここでは「~と思う」「~と聞く」「~と言う」を使った例文を通して、助詞「と」の前の引用部分が普通形になるという規則を抑えます。
    • 練習教材
      • 本冊107ページ Comprehension Check GP5-3
      • 別冊30ページ~ 練習20 思ったことを述べる
        • 20-1 ジョンソンさんが日常について書いた作文を読む練習
          別冊の活動の中では初出となる単語や表現の意味を確認する前作業も提供されています。
        • 20-2 20-1で読んだことをもとに、ジョンソンさんがどんな人だと思うかを聞く会話練習
        • 20-3 クラスメートについて「~と思う」を使って話す会話練習(前作業
  • GP5の最後の項目として、107ページのQuick Noteで「~ましょう」の普通形に当たる意向形を導入し、くだけた話し方での誘い方と「意向形+と思う」の形を抑えます。
    • 練習教材
      • 意向形の活用と「意向形+と思う」の文を学習者が一人で練習できるビデオ練習
        https://panorama.learnjapaninjapanese.com/pm-gp05/#20-4 
      • 別冊29ページ 練習18 誘う
        • 18-1 会話相手を誘うくだけた話し方での会話練習
        • 18-2 誘いを受け入れ都合のいい日時を提案するくだけた話し方での会話練習