『パノラマ』が推奨する学習モデル

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このページでは、『パノラマ』が推奨する「より速く、より効率的に、より確実に」初級日本語を身に付ける学習モデルについて、学習科学の観点からの解説を提供しています。


近年、学習者を取り巻くテクノロジー環境は劇的に変化しています。しかし、今までの初級日本語教科書は、このテクノロジー環境がもたらすメリットを活用し切れておらず、基本的には以前のモデルを使い続けていると言えるでしょう。『パノラマ』は現在の学習環境に適した学習モデルとテクノロジーを有効利用した学習ツールを提供することで、学習者がより速く、より効率的に、そしてより確実に初級日本語を身に付けられるようにデザインした教科書です。

『パノラマ』が重視する学習環境の変化:1人1台端末の環境

テクノロジーの発達により、学習環境において様々な変化が見られる中、『パノラマ』が特に重視しているのが「1人1台端末の環境」(教室内でも学習者個人が自分のコンピュータやタブレット、スマホなどの端末を持ち、それらを使って練習が行えるという環境)です。このような環境が整う前は、教師が教室内で行う活動の中心は全体練習、ペアワークやグループワークにあり、ペアになった相手や個々のグループメンバーとの能力やレベル差が、教室内活動における各学習者の学習成果に常に影響を与えていたと考えられます。学習進度の速い学習者と学習進度の遅い学習者がペアになった場合、双方とも自分のレベルの適していない活動に時間を費やすことになってしまいます。しかし、1人1台端末の環境が整ったことにより、教師は教室内活動においても学習者個人のレベルに最も適した個人練習を行わせることができるようになりました。

例えば、ひらがなの導入を例に挙げてみます。学習者が自分の端末を持っていない教室環境では、ひらがなを既に学習した既習者がいると分かっていても、教師はクラス全体にひらがなに関する講義をし、全員にひらがなを練習する時間を与える必要がありました。つまり、ひらがなを既習済みの学習者にとっては、一つ一つのひらがなの書き順を示す活動などは、適切かつ必要な活動ではないと分かっていても、教師はクラス全体にその活動をさせざるを得なかったという状況にありました。しかし、1人1台端末の環境下では、ひらがな導入後、教師は各学習者に各自の端末を使わせ、各々に適したひらがな練習をさせることができます。書き順を知らない学習者は書き順の練習から始めさせる、既に書き順を知っている学習者はその練習はスキップして次の練習に移るように指導すれば、双方にとって最も適した活動を行わせることができます。『パノラマ』では、全ての課において、各学習者が各々のレベルに合った形の練習ができるように構成されており、ひらがな導入のセクションでは、学習者が各自自分の端末を使って練習編2-1にアクセスすれば、ビデオやクイズ形式の、自分のレベルに合った個人練習をすることができます。

他の例をもう一つ挙げると、例えば、動詞の活用練習をする場合、全体練習やグループ、ペア練習では、全ての学習者それぞれに最も適したレベルの練習を行わせるのは難しいでしょう。しかし、授業内において1人1台端末の環境を活かした個人練習の時間を設ければ、学習者は自分のペースで自分の現レベルに適した練習を行うことができます。『パノラマ』では、動詞の丁寧形への活用は、本冊文法編の57ページから59ページで活用規則を導入した後、60ページの確認問題をし、練習編6-1をするという構成になっています。確認問題と6-1の練習はどちらも個人で行える形式なので、教師はクラス全体に活用規則を導入した後、これらの練習を個人で行うように指示すれば、学習進度の速い学習者にも遅い学習者にも、自分のレベルに合ったペースで効率的に練習を行わせることができます。

このような個人練習にある程度時間を費やした後で、クラス全体、またはペアやグループでの練習を行えば、学習者各自のレベルに合った個人練習とクラスメートと行う協働学習の両方をバランスよく授業活動に取り入れることができ、学習効率もさらに向上させることができます。『パノラマ』はこのようにより効率的な活動が行えるようになった教室内での学習環境の変化を重視し、その変化を最大限に活かした授業ができる教材を提供しています。

授業外での学習の支援

上記に挙げた例は近年より重要度が注目されている「個別化による授業活動の最適化」の例ですが、この個別化による効率性の向上は、授業外の学習にも当てはまります。例えば、宿題を例に考えてみると、個別化が難しかった今までの環境では、全ての学習者に同じ宿題を課すのが一般的でした。しかし、レベルの違う学習者に宿題として同じ学習活動をさせるということは、その内容が学習進度の速い学習者にはやさしすぎ、遅い学習者には難しすぎるということになり、効率的ではない活動をさせているということになってしまいます。より効率的な学習活動を行わせるためには、宿題に関しても各学習者のレベルに合った個別化された活動をさせるのが理想的です。

『パノラマ』は授業外の学習活動においても個人で行える様々な教材を提供していますが、その一つがAnkiという学習ツールのデジタルフラッシュカードです。このフラッシュカードは、学習者が学習したことを完全に忘れてしまう前に再び復習させ、習熟度が進むにつれて学習間隔が長くなるという間隔反復法 (Spaced Repetition System) を使っています。『パノラマ』での学習項目は全てAnkiで間隔反復ができるようになっており、学習者は常に必要な項目を記憶の保持に必要なタイミングで練習することができます。また、このツールでは毎日復習が必要なカードが提示されるため、週末や夏休みなど、授業がない期間中も学習者の効率的な学習を支援することができます。


個別的な導入から体系的な導入へ

『パノラマ』の作成動機として次に挙げられるのが、個別的な学習項目の導入による非効率性の改善です。初級日本語の教科書では、個別の表現を取り上げ、導入、練習させるというデザインが多く見られます。このように特定の表現を集中的に取り上げれば、確かに練習はしやすくなりますが、他の項目と関連付けられていない特定表現のみの情報は記憶に残りにくく、すぐに忘れられてしまうということも、神経科学や教育心理学の研究で明らかになっています。それらの研究によると、細かい情報はどうせ忘れてしまうのだから、新しい情報の導入時には、まずは大局を掴み、似たものを関連付けて提示した後で、徐々に細部に目を向けさせるのが効果的だと結論づけられるそうです。

『パノラマ』は、初級学習項目を12の大局的な文法ポイントに整理し、関連付けられた様々な表現を体系的に学習する導入法を採用しています。例えば、文法ポイント7のトピックは「願望、可能、受身、使役」で、これらの文法項目を「-tai, -eru, -areru, -aseru」という活用語尾に注目しながら「作りたい、作れる、作られる、作らせる」という例を通してまとめて導入しています (本冊文法編128~129ページ)。また、導入後には、これらの全ての項目を使った確認問題を提供しています (134ページ)。このように大局をおさえる導入と練習を、練習編27(別冊48ページ)で各個別項目に焦点を絞った練習を始める前に行うことで、学習者がより体系的に記憶に残りやすい知識を構築していくことを促進しています。

もう一つの例として、「~かもしれない」という表現の学習を挙げてみます。多くの教科書では「~かもしれない」は一つの個別表現として、他の表現と独立させ、単独で導入されています。このように他の表現と切り離した導入方法は説明や練習がしやすく、表面的には、練習後すぐに学習者がその表現が使えるようになったように見えるため、一見効果的な方法のように感じられます。しかし、教育心理学や神経科学の実証研究により、このような該当項目が他項目と関連付けられていない形で導入、練習された情報は保持するのが難しく、実際には忘れられてしまいがちで、長期的な学習の成功に結びつけにくいということが明らかにされています。

『パノラマ』では「~かもしれない」は、文末表現をトピックとして扱っている文法ポイント9で「~と思う、~つもりだ、~そうだ、~みたいだ、~ようだ、~はずだ、~だろう、~のだ」という他の文末表現と一緒にまとめて導入しています。学習者は、まず、これら全ての文末表現の意味と例文を読むことで、「普通形+文末表現」という概念を学習、理解し (本冊文法編151~152ページ)、次に、全ての表現が混ざった確認問題に進むことによって (153~154ページ)、日本語の文末表現の大局を掴んでいきます。この後、教師は、徐々に学習者が各表現のより細かい注意点に目を向けるように促し (「~かもしれない」は157ページ)、最後に練習編で運用練習をさせます (「~かもしれない」は別冊練習編65~67ページ)。このような大局から細部へという導入法は記憶に残りやすく、かつ効率的により速く学習が進められるということが明らかになっています。このような導入法を積極的に取り入れることで、『パノラマ』は他の教科書に比べて、短い時間で全ての初級学習項目をカバーすることを可能にしています。

各文法ポイントで大局として扱われるトピックについては「この教材の内容と使い方」の「VI. 「文法編」の概要と授業時間の目安」に記載されています。また、学習者用教材として大局を掴むための Key Concept Video も用意されています。

集中学習から分散学習へ

『パノラマ』は、学習項目を体系的に導入する学習法を初級日本語のカリキュラムに取り入れることにより、学習者の体系的な知識の構築を支援するだけでなく、教師がより効率的なカリキュラムを構築しやすい環境を提供しています。多くの初級教科書では、上記のように特定の学習項目を個別に取り上げることが多いため、1回の授業時間内での学習活動が、該当項目だけに集中してしまうという傾向があります。先に挙げた「~かもしれない」の例で言えば、授業でこの表現のみに焦点を当て、学習者がこの表現を使えるようになることを目標に、集中して練習を進めていけば、確かに教師は、授業内で即座に学習者の理解度を確認することができ、その集中学習の効果を感じ取ることができるでしょう。しかし、これまでの研究で、このような集中練習で得られた成果は長続きせず、次の学習項目に移った後で、それまでに見られた成果は急速に薄れていき、長期的な学習の成功に繋がらないということが分かっています。もちろん教師は既習項目を授業内でなるべく繰り返し使わせるように努力をすることはできますが、学習項目が多くなればなるほど、全ての既習項目を頻繁に使わせるのは難しくなっていきます。

このような集中学習の積み重ねをベースにしたカリキュラムを避けるために推奨されている方法が、複数の学習項目を織り交ぜ、間隔をあけて学習を繰り返す「分散学習」です。『パノラマ』では「~かもしれない」は、文法ポイント9で他の文末表現とまとめて導入した後、他の文末表現と関連付けた確認問題を通して、その用法を練習していきます。その後、更にそれぞれの表現を使用する際の注意点を確認しながら、より詳しくその適切な用法を学習していきます。続けて、練習編で類似表現の「~と思う、~つもりだ」と合わせて運用練習を行います。また、授業外での学習支援の一部として提供されているAnkiのフラッシュカードでは、授業内でこのような活動が終わり、次の学習項目に移行した後でも、「~かもしれない」を使った例文が間隔をあけて現れ続け、学習者がこの表現を習得できるように支援し続けます。『パノラマ』は、このような分散学習を通し、学習者が必要かつ適切な時間をかけて、確実に学習項目を身に付けることができるような手段を提供しています。

間隔反復法 (Spaced Repetition)

分散学習を確実に取り入れ、学習の長期的な成功を確かなものにするために、『パノラマ』では間隔反復 (Spaced Repetition) の使用を重視し、その代表的な学習ツール Anki を使ったデジタルフラッシュカードを提供しています。単語や漢字の暗記だけでなく、文法編の例文を練習するカードも用意されており、聞く力や読む力、発音の向上にも間隔反復が使えるようにデザインしてあります。

近年、外国語学習のための様々なデジタルフラッシュカードが存在していますが、間隔反復法を取り入れていないフラッシュカードでは、学習項目を覚えた後で覚えた項目のカードが現れなくなってしまいます。引き続き反復する機会が与えられなければ、学習者は練習でよく使われる項目以外は、一度覚えたものでも維持し続けることができず、結局は忘れてしまうという問題が残ります。単語クイズでいい成績を取るのが最終目標なら、間隔反復法を使っていないツールでも有効かもしれません。しかし、その後の繰り返し練習が継続して促進されない点において、このようなツールは長い時間を要する言語学習の支援のためには理想的であるとは言えません。その上、教育心理学の研究では、このような学習法は学習者を表面的に学んだ気にさせてしまい、非効率的な学習法を継続させてしまうという負の影響さえ存在するということが指摘されています。

『パノラマ』を初級日本語コースで使用する際には、学習者に覚えることと同じぐらい忘れないことが重要であるという点をしっかり認識させ、覚えたことを忘れないで確実に定着まで結びつけられる間隔反復を使った学習を意識的に実践するように指導することをお勧めします。


Instructor Page

This page provides information for instructors using Panorama.

In recent years, the technological environment learners find themselves in has been changing rapidly. Beginner-level textbooks of Japanese, however, have largely maintained a traditional model of instruction and have not adapted to take full advantage of the opportunities that this shift in technology offers. By providing a model of instruction designed with the new technological landscape in mind and a suite of tools crafted to take best advantage of it, Panorama can help learners attain proficiency in elementary Japanese with greater speed, efficiency, and certainty.

Panorama’s vision of the changed learning landscape: A device for each learner

Among the various changes in the technological landscape seen recently, Panorama is designed to take particular advantage of the increasing prevalence of environments in which each learner has a device, be it a computer, tablet, or smartphone, that they can use to engage in individual practice. Before the advent of such an environment, instructors were forced to focus in-class activities around full-class practice, group work, and pair work, and the effectiveness of practice for learners was thus always dependent on the match in skill and proficiency levels between classmates, groupmates, and paired partners. In the event that a quick learner was paired with a learner who progressed more slowly, neither would be able to practice at the appropriate level and neither would get the optimal benefit from the paired activity. In an environment in which everyone has their own device, however, instructors can assign each learner in the classroom an activity that best matches their level.

Take the introduction of hiragana as an example. In a classroom where each learner does not have a device of their own, even if the instructor knows that there are some learners who have already studied the writing system, classroom time will need to be used to introduce hiragana and to practice reading and writing it. In other words, the instructor will have no choice but to do things like explain the stroke order of characters, knowing full well that this is an unnecessary waste of time for some students in the class. In an environment where each learner has their own device, however, the instructor can instead direct each learner to the individual practice on their own device that will most benefit them. Those with no background in hiragana can start from the beginning and learn things like stroke order, whereas learners with more experience can skip the basic information and start with something more advanced. In this scenario, everyone’s time is well spent. Each lesson of Panorama is structured to contain exercises that allow learners at various levels to practice in ways that will be meaningful and useful to them; for instance, when studying hiragana, learners can access Section 2-1 of the Practice Module to find a variety of videos, self-evaluation quizzes, and other activities to meet their needs.

To give another example, when practicing verb conjugation, it is often difficult to get all learners to practice at the level most suitable for them when practicing as a whole, in groups, or in pairs. However, if each learner has a device, instructors need simply to set aside time for individual practice in class to make sure that students can practice at their own pace using exercises appropriate for their current level. In Panorama, the study of the polite form conjugations of verbs is structured so that the conjugation rules are introduced on pages 57 to 59 of the Grammar Module of the book, after which learners can confirm their understanding using the Comprehension Check on page 60 and move on to further practice in Section 6-1 of the Practice Module. Both the Comprehension Check and the exercises in Section 6-1 are designed to be completed individually, so instructors can introduce the conjugation rules to the whole class and then release learners to do these exercises by themselves, making it easier for both fast-paced learners and slower learners to practice efficiently at a pace suited to their level.

If instructors proceed on to full-class practice, group work, or pair work after spending some time on these individual exercises, they will be able to maintain a good balance between personalized practice at each student’s level and collaborative learning with classmates, thereby further improving learning efficiency. Panorama understands this and facilitates it by providing teaching materials that take full advantage of the recent changes in the classroom learning environment to enable more efficient practice and more effective learning.

Support for learning outside of class

The scenarios discussed above are examples of “optimizing class activities through individualization,” the importance of which has received more attention in recent years, but the value of this kind of optimization extends outside of the classroom as well. For example, if we consider homework, in previous environments where individualization was difficult, it was common to assign the same homework to all learners. However, having learners at different levels all do the same learning activity as homework can result in the content being too easy for fast-paced learners and too difficult for slower learners, resulting in tedium for some, frustration for others, and inefficiency for nearly all. Ideally, homework activities would be tailored to each learner’s level, helping everyone experience them as productive uses of time.

Panorama provides a variety of learning materials that can be used individually for learning activities outside of class. One deserving particular attention is the digital flashcard sets for the study application Anki. Anki employs a Spaced Repetition system, which periodically reminds learners to review what they have learned before they completely forget it, and then, as they demonstrate mastery of the material, gradually increases the interval between repetitions. Everything studied in Panorama can be reviewed in Anki, allowing learners to always practice previously covered material at the timing necessary to retain it. In addition, this tool presents cards for review every day, so it can help learners study efficiently even during periods when there are no classes, such as during weekends or over summer vacation.


From fragmented to systematic instruction

One more motivation for creating Panorama was to do away with the inefficiency that results from a fragmented approach to introducing new material. Introductory Japanese textbooks often focus on individual expressions in a vacuum, introducing them and having students practice them without situating them in their larger linguistic or grammatical context. Focusing on a specific expression in this way certainly makes it easier to practice, but research in neuroscience and educational psychology has made clear that if an expression is not properly contextualized and ties are not drawn between it and other items, it is also easy to forget. The scholarship suggests that since detailed information is easily forgotten, when learning something new, it is more effective to first grasp the big picture, correlate and present similar items, and then gradually to turn one’s focus to the details.

Panorama systematizes learning by organizing beginner-level material into 12 overarching Grammar Points and introducing various related expressions together in each of them. For example, Grammar Point 7 is “Verb Forms Expressing Desire, Ability, Passivity, and Causativity.” In it, the conjugated endings –tai, –eru, –areru, and –aseru are introduced to represent each of these meanings respectively, initially using the conjugated forms of 作る (作りたい, 作れる, 作られる, 作らせる) as examples (pages 128-129 of the Grammar Module). After the introduction of these forms, we provide a Comprehension Check including all of them to test learners’ general understanding (page 134). By conducting this holistic introduction and practice before proceeding to Section 27 of the Practice Module to narrow in on more specific exercises focused on each individual form (page 48 of the included activity booklet), we allow learners to acquire knowledge more systematically, thereby making it easier to remember.

Another example of this systematic approach can be found in the introduction of the expression ~かもしれない. In most textbooks, ~かもしれない is introduced on its own, independent of other expressions. Introducing the expression separately from other grammatical constructions makes it easy to explain and practice, and on the surface, it may appear that the learner has mastered the expression quickly, making this method seem effective at first glance. However, empirical research in educational psychology and neuroscience has shown that information that is introduced and practiced without being properly situated and contextualized is difficult to retain and, in fact, tends to be forgotten. This type of introduction, therefore, does not often lead to more long-term mastery.

In Panorama, ~かもしれない is introduced in Grammar Point 9 “Sentence-Final Expressions” along with the other sentence-final expressions ~と思う, ~つもりだ, ~そうだ, ~みたいだ, ~ようだ, ~はずだ, ~だろう, and ~のだ. Learners first read examples sentences introducing the meaning and use of each of these expressions and familiarize themselves with the construction “short form + sentence-final expression” (pages 151-152 of the Grammar Module). They then move on to a Comprehension Check featuring all of the expressions (pages 153-154) and test their general understanding of the concept of sentence-final expressions in Japanese. After this, the instructor can draw learners’ attention to the finer points of each expression (those for ~かもしれない can be found on page 157), and finally have them practice using each expression with exercises in the Practice Module those for ~かもしれない can be found on pages 65 through 67 of the included activity booklet). Starting with the big picture and then shifting focus to the details in this way has been shown to be a more lasting, more efficient, and faster way to learn. By proactively incorporating this systematic method of instruction, Panorama makes it possible to cover all of the material of elementary Japanese in a shorter amount of time than other textbooks.

The topics covered in each Grammar Point are described in “VI. Overview of the Grammar Module and Study Time Estimates” in “Introduction to PANORAMA: Content and Usage.” There are also Key Concept Videos available to provide overviews of major Grammar Points.

From compartmentalized to distributed learning

By incorporating a learning method that systematically introduces material into the elementary Japanese curriculum, Panorama not only helps learners build systematic knowledge, but also helps instructors create a more efficient curriculum. Most elementary textbooks, as mentioned above, tend to introduce expressions individually, bereft of their larger linguistic context, and thereby create a tendency for a single class period to focus on only one expression to the exclusion of all others. Using the example of ~かもしれない above, if instructors focus only on this expression in class and concentrate practice on the goal of having learners master it, they will immediately be able to check learners’ comprehension during class and will no doubt be able to feel the effects of such intensive study. The research, however, shows that the results obtained through such intensive practice are fleeting; once learners move on to the next topic, these gains quickly fade and do not, therefore, lead to long-term mastery and success. Of course, instructors can encourage learners to use previously studied items as often as possible in class, but the more items there are, the more difficult it becomes to have learners use all of them with the necessary frequency.

One method recommended to help avoid a curriculum based on the repetition of this kind of compartmentalized learning is “distributed learning,” which involves interweaving multiple learning items and repeating learning at intervals. In Panorama, we introduce ~かもしれないalong with other sentence-final expressions in Grammar Point 9, and then check learners’ understanding through a Comprehension Check that situates it in relation to those expressions. After that, we teach the appropriate usage of each expression in more detail, including specific point to be careful of. Next, in the Practice Module, we practice using it in context along with the similar expressions ~と思う and ~つもりだ. Additionally, if learners use the Anki flashcards provided as part of a suite of tools to support learning outside of class, even after class activities focused on ~かもしれない are over and the class has moved on to new material, ~かもしれない example sentences will continue to appear at intervals to facilitate mastery of the expression. Through this kind of distributed learning, Panorama ensures that learners acquire the material covered in an appropriate amount of time.

Spaced Repetition

To facilitate distributed learning and ensure long-term success, Panorama emphasizes the use of spaced repetition and provides digital flashcards for Anki, the signature spaced repetition learning tool. In addition to memorizing words and kanji, cards are also provided for practicing example sentences from the Grammar Module, and the whole system is designed to allow learners to use spaced repetition to improve their listening, reading, and pronunciation skills.

In recent years, a variety of digital flashcards have come into existence to assist in the learning of foreign languages, but with flashcards that do not incorporate spaced repetition, cards will stop appearing once the learner has memorized the items on them. If the learner is not given the opportunity to continue reviewing items, only those frequently used in practice will be retained, and all other items, even if they were once memorized, will eventually end up forgotten. If your ultimate goal is to get a good grade on a vocabulary quiz, a tool that doesn’t use spaced repetition may be sufficient. Such tools, however, are not ideal for supporting long-term language learning, as they do not encourage continued repeated practice. Furthermore, research in educational psychology has shown that this type of tool can actually have negative effects: because it gives the learner the superficial feeling of having learned something, it encourages them continue using it and therefore to learn only inefficiently and for the short term.

When using Panorama in an introductory Japanese course, we recommend emphasizing to students that not forgetting is just as important as memorizing in the first place, and instilling in them the value of making well-thought-out use of spaced repetition to solidify their retention of the material.